あがまちインタビュー(3)

県外から訪れた大学生2人が、阿賀町とそこに住む人の魅力を探ろうと、黎明学舎のスタッフと町に住む方にインタビューする企画。全4回でお届けしています。


第3回目は、新潟市から阿賀町に移住し、現在農家民宿を経営されている増川宏実さん。アロマの香りが漂う立派な古民家でお話を伺いました。

—民宿を始めたきっかけは何ですか。


阿賀町では子ども向けに体験教育旅行というものがあり、私もそれの受け入れを始めました。子どもたちがここに泊まり、畑をしたり、川で遊んだりすることを通して、自分が阿賀町に来てすごく楽しいなと思ったことを体験させてあげたくて。実際、川遊びをしたら「久しぶりに心の底から笑いました!」という子がいたり。自然に触れることで素の自分になれるのかな。そこで、大人も同じようなことを体験できる場所があるといいんじゃないかと思い、農家民宿の許可をとったんです。


—これから新たにやってみたいことはありますか。


今後は私のもう一つの関心である「癒やし」の要素をどこかに取り入れていければいいなと考えています。


—阿賀町に暮らし始めて気づいたこと、魅力に感じたことはありますか。


ここに来るまで物は買うのが当たり前って思ってたんです。でも皆さん生産的な暮らしをしているというか、あるもので工夫してやっている。そういう底力みたいなものがすごいなぁと感じました。

あとは、阿賀町は「本物」があるなとすごく感じていて。例えばおはぎでも、ここの人は自分で作って、それがしかもちゃんとしたものなんです。買うものは保存性を良くするためにとかで色々違うものが入ってる商品が多いですが、こっちのものは「おはぎってこれでできてたんだね!」てわかるみたいな。味噌にしても、売ってるものはいろんな添加物が入っていたりするけど、ほんとは大豆と塩と麹で、とてもシンプルなんですよね。味噌ってこうなんだね!っていう本物というか基本がすごくわかりました。


—本物を食べると体に染み渡っていきそうですね。


そうそう!それが本当に美味しいんですよ。

野菜の成り方も大豆ってこうやってできるんだとか。農業も、大変さを頭でわかってるのと、実際やってこんなに大変なんだって思うのと違うじゃないですか。夜だって、ほんとの夜ってこんなに暗いんだ!っていう。そういう意味でも本物っていえばいいのかな。


—それはすごい魅力ですね!情報にアクセスしやすい今知識だけ得てわかったような気になるけど、実際自分で体験してみたり肌で感じてみないとわからないことっていっぱいありますもんね。

ー町の人との交流の面では、何か感じたことはありますか。


みなさん言うと思うんだけど、ほんとに人があったかいというか、そのままで受け入れてくれるというのを感じました。前に「ここにいてくれてありがとう。」って言われたことがあって。私何もしてないのになんでだろうって。その時思ったのは、何かしたから、とかじゃなくて、存在自体を認めてくれる、受け入れてもらえるみたいなそういったあったかさがあるのかな〜というのをすごく感じました。

あとは、皆さんゆっくりしているかな。しょうがないことをしょうがないって受け入れる度量があるっていうか。(笑)やっぱり土に触れて生きている人たちなんじゃないかな〜。地に足が付いてるというか。こういう地は人と助け合って生きていくってことが基本になっているから、一人では生きていけないよねっていうのを痛感する場所でもあります。


—若い人たちが阿賀町に来ることに対してどのような期待や思いがありますか。


大歓迎ですね。ほんと若い人にたくさん来てほしいし、これからはきっとこういう生き方とかが望まれていくんじゃないかな。それこそ、オンラインとかでも仕事ができたりして、そこまで不便を感じずに田舎で暮らすこともできるような時代になったような気がするので。それに、外から人が来ることは地元の人にも新しい視点を与えてくれると思います。お互いに刺激し合って学び合えるんじゃないかな。


~~~ここまでインタビュー


どこを見渡しても美しい自然と、あたたかな人々に囲まれる場所、阿賀町。存在の承認を基盤とした場でのびのびと過ごすこと、そこから生まれる新たな可能性に胸を躍らせてみてはどうでしょう。

取材後、増川さんのお気に入りの場所、「芦原高原ハーバルパーク」に訪れました。遠く連なる山脈を前に草むらに寝転んで空を仰ぐ。大地に溶け込むようなこの感覚を皆さんにもぜひ味わってみてほしいです。(睦希)

阿賀黎明高校魅力化プロジェクト

阿賀黎明高校の高校魅力化プロジェクトは、新潟県初の試みとして平成28年に発足しました。 阿賀黎明高校で学ぶ生徒のために阿賀町が支援し運営する公営塾「黎明学舎」に加え、 令和3年度からは学生寮「緑泉寮」を設置、教育留学生の受け入れを開始しました。

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